記事画像

間接照明で目を休める:色温度と配置のコツ

夜、自宅でくつろぐ時間。天井から降り注ぐ明るい照明の下で過ごすのも良いですが、時には少し明かりを落として、柔らかく穏やかな光の中でリラックスしてみるのはいかがでしょうか。

実は、照明の使い方を少し工夫するだけで、目の疲れを和らげ、心身をリラックスモードに導く上で、とても良い影響が期待できるのです。特に注目したいのが、「間接照明」の上手な活用です。
間接照明とは、電球やLEDといった光源そのものが直接目に入らないように工夫し、光を壁や天井、あるいは床などに一度反射させて、その反射した光によって空間全体を照らす照明テクニックのことを指します。

一般的なシーリングライトのように、光源から直接光が降り注ぐ「直接照明」とは対照的に、間接照明は光が拡散されて柔らかくなるため、眩しさを感じにくく、目に優しい光環境を作り出すことができるのが大きな特徴です。では、なぜ間接照明が目に優しいと感じられるのでしょうか。

その主な理由は、光が空間全体に均一に広がりやすく、明るい部分と暗い部分の差、いわゆる「輝度差」が少なくなるからです。強い光が直接目に入ったり、部屋の中に極端に明るい場所と暗い場所が混在していたりする環境は、目が頻繁に明るさに順応しようとするため、ピント調節機能を担う筋肉を疲れさせ、眼精疲労を引き起こす一因となり得ます。

間接照明は、この輝度差を自然に和らげ、穏やかで落ち着いた雰囲気の視環境を提供してくれるのです。さらに、間接照明が生み出す柔らかく暖かみのある光は、私たちの心にも作用し、リラックス効果を高める副交感神経を優位にする手助けをするとも言われています。

特に、寝る前の数時間を間接照明の光の中で過ごすことは、日中の活動モードから心身をスムーズに休息モードへと切り替え、質の高い睡眠へと誘う効果も期待できるでしょう。では、具体的にどのように間接照明を取り入れるのが効果的なのでしょうか。重要なポイントは「光の色温度」と「照明器具の配置」です。

まず「色温度」について考えてみましょう。光の色味は「ケルビン(K)」という単位で表現され、この数値が低いほど、ろうそくの炎のような赤みがかった暖かい光(電球色)になり、数値が高いほど、真昼の太陽光のような青みがかった涼しげな光(昼光色)になります。

日中の活動的な時間帯や、細かい作業をする際には、集中力を高めるとされる昼白色(約5000K)や昼光色(約6500K)の光が適していますが、夜のリラックスタイムには、暖かみと落ち着きを感じさせる電球色(約2700K〜3000K)が断然おすすめです。オレンジがかった優しい光は、心を穏やかにし、安らぎの空間を演出してくれます。

最近では、一つの照明器具でリモコン操作により色温度や明るさを自由に変えられる製品も増えていますので、時間帯や気分、目的に合わせて光の色を調整してみるのも良いでしょう。

次に「配置」のコツです。間接照明の基本的な考え方は、光源、つまり電球やLEDチップそのものが直接視界に入らないようにすることです。例えば、スタンドライトを使う場合は、シェード(傘)で光源がしっかりと隠れるデザインのものを選んだり、ライト自体を壁に向けて設置し、壁からの反射光を利用したりします。

背の高いフロアライトを部屋の隅に置いて、天井や壁面を広く照らすのも、空間に奥行きと柔らかさを与える効果的な方法です。また、テレビボードの後ろやソファの下などにテープ状のLEDライトを設置して壁や床を照らすと、テレビ画面と周囲の明るさの差が少なくなり、長時間の視聴でも目の負担を軽減するのに役立ちます。

本棚の上や観葉植物の後ろなどに小型のスポットライトを隠し置きして壁面を照らすといったテクニックも、おしゃれな雰囲気を演出しながら、目に優しい光環境を作り出すことができます。ただし、間接照明だけで部屋全体の明るさを確保しようとすると、場合によっては暗すぎると感じることもあります。
特に、読書や手芸など、手元で細かい作業をする際には、部屋全体の照度は抑えめにしつつ、必要な場所にだけ十分な明るさを確保できる手元灯(デスクライトや読書灯など)を併用するのが賢明です。暗い中で無理に物を見ようとすると、かえって目に負担をかけてしまう可能性があるので注意しましょう。

間接照明は、大掛かりなリフォームや電気工事をしなくても、市販のスタンドライト、フロアライト、クリップライト、テープライトなどを上手に活用すれば、賃貸住宅にお住まいの方でも比較的手軽に取り入れることが可能です。いつものお部屋の照明計画を少し見直すだけで、目の疲れが和らぎ、心からリラックスできる癒しの空間が生まれるかもしれません。ぜひ、あなたのお部屋にも、目に優しい間接照明の光を取り入れて、質の高い休息時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。